「二代目・三代目が会社を潰す」具体的な理由

「売り家と唐様で書く三代目」ということわざ

よく「三代目が会社を潰す」という話があります。ことわざにも「売り家と唐様で書く三代目」というものがあります。

初代が苦心して財産を残しても、3代目にもなると没落してついに家を売りに出すようになるが、その売り家札の筆跡は唐様でしゃれている。遊芸にふけって、商いの道をないがしろにする人を皮肉ったもの。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/売り家と唐様で書く三代目/

特に中小企業にはこの形態の企業がよくあります。

三代目となればほぼ独裁状態

創業者の二代目・三代目となると、周りが意見することもできない状態におかれることになります。かつその時に資金もあれば、何を進言して逆鱗に触れることはだれしも避ける状態になります。

創業者の二代目・三代目がかかる「病」

現実を見ない

生まれたときからお金があり、それが当たり前の状態になっていると、「何もしなくても自分は正しい」と考えます。

「正しい自分がやることはすべて正しい」

と無意識で考えています。これはいわゆる「減点主義」組織に見られる傾向でもあり、「トップの自分は常に正しい」という意識になってしまっています。

数字より自分の理想

具体的には、売上の数字より自分の理想を優先しようとします。「自分がやりたいと思ったことをやる、それが顧客のためである」という発想で、顧客が何を望んでいるかより、自分がやりたいことを優先し、それで売上があがらない場合、

・顧客が自分においついていない

と考えます。

いいかえればそれは顧客より「自己満足」を優先してしまうということです。

かかる病とは「傲慢」

大塚家具がヤマダ電機に買収されたと最近のニュースで報道がありました。

ここで大塚家具の社長の過去の発言が下記です。

「リスクを避けるばかりが人生ではない」

「安全だけを考えないほうが豊かになる人生はある」

もともと生まれたときからお金に不自由なく育ってきたであろうと推測しますが、この発言で気になることは、これが経験に裏打ちされた発言ではないであろうという点です。

いままで苦労はあったと思いますが、明日の生活費をどうしよう、とか、今月の返済をどうしようかという苦しみを味わったことは無かったと思います。

「常に正しい自分がやっているのに売上が上がらない。それは自分以外、社員、取引先、顧客の責任である」と思ってしまいます。

それがいわゆる社員に対するパワハラにつながっています。

売上があがらない理由をロジカルに説明されたところで、常に正しい自分はそれを受け入れる必要がない、しかしそれに反論することもできないので恫喝するのです。

「自分は正しい」という発想は、いわゆる「傲慢」です。

「二代目・三代目が会社を潰す」という格言の原因は、すべてのこの「傲慢」にあります。

いくら学歴があり立派な経歴があっても、この「傲慢」という病にかかってしまっていると結果はすべて同じになります。

大塚家具買収のニュースもあり記事を作成しました。

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