事業者が多角化でECサイト・ネットショップに手を出して約8割が失敗する3つの理由

新型コロナでECサイトを始める事業者

私は今、Web、ECマーケティングのコンサルテイングもしています。(年間10億円規模の売上企業のCTOも経験しています。)

新型コロナウイルスの影響で、メインの事業とは別でECサイト(ネットショップ)の運営を始める事業者が増えています。

コロナ以前に戻ることを想定している事業者も多いですが、おそらくはそうはならないと思います。

食品関係を始め、新型コロナウイルスで事業の売上が減少した事業者が今後の事業の柱としてネットビジネスを行うことは、どの事業者も避けられない選択になっています。

ECサイト運営でおよそ8割が失敗する

しかし、ECサイト運営は、実店舗ビジネスや卸販売などとは全く別のものという理解がなく、今ホームページを作れば自然に売上が「いくらかは」上がると思っていると、ほとんどが失敗しています。

失敗する3つの理由

ECサイトを構築するだけで売上が上がると思っている

これが一番多い理由です。

「ECサイト構築すれば、何もしなくても自然と売上があがる」

と思っている事業者が結構多いです。

実店舗であれば、何もしなくても、少なくともお店の前を通るお客さんには存在を知ってもらうことができます。

しかしECサイト、ECサイトに限らずいわゆる通販ビジネスは、お客さんに知ってもらわなければ買ってもらうことができません。

ECサイトを構築しただけでは売上はできません。

集客の計画がない

ではいかにお客さんにECサイトの存在を知ってもらうか。

これがいわゆるサイトへの「集客」になるのですが、Web事業に携わったことが無い場合、その方法を知っている人はほとんどいません。

Webサービスの集客は、おおまかに列挙すると

・ブログやメディアサイトをもちいたSEO、コンテンツマーケティング

・TwitterやInstagramなどのSNSを利用したSNSマーケティング

・リスティング広告やリタゲなどのWeb広告

・紙媒体、TVCMなどの非Webマーケティング

・メルマガ、LINEなどのプッシュ型販促

などが挙げられます。

ただサイトを制作、構築しただけでは集客はできません。

よく例えで表現されるのは、ECサイトを構築しただけでは、太平洋の真ん中に船を浮かべただけで、まずどうやって知ってもらうか、という視点がないことが問題です。

ECサイトの売上構成要素を知らない

ECサイトを構築したものの、売上が上がらない。

その場合、サイトを作りなおしたほうがよいのか、SEOに取り組むのか、商品を検証するのかなどがありますが、そもそも

「何をすべきかがわからない」

ことが問題です。

ECサイトの売上を構成する要素は下記の3つです。

・アクセス数(セッション数)

・転換率(CVR)

・客単価

この3つをかけ合わせたものがECサイトの売上です。

売上=アクセス数 × 転換率 × 客単価

そのあたりの内容をまとめたスライドを公開します。

ここで何が言いたいかというと、ECサイト全体の売上は、

アクセス数を増やすべきが、転換率を上げるべきか、客単価を上げるべきかを見える化することです。

仮にアクセス数が月間 10万 セッション あっても、転換率が 0.1 % であれば、購入客数はたった 100 人となります。

その場合は、転換率を上げるにはどうするかを検討する必要があります。

このように、ECサイトで売上を上げるために、何を改善するか、どのような施策を実施するか、課題を明確化することが必要です。

多くの事業者が、闇雲にサイトのデザインを変更したり、アクセス数をふやしたり、クロスセリングをしようとしたりし、今何のアクションが必要かを数字から判断しようとする方が少ないのが現状です。

まとめ

事業者の方はまず、

・ECサイトを構築しただけでは売上があがらない

・とにかく集客をしなければ始まらない

・日々の数値をチェックし、サービス改善の打ち手を考える

ということを念頭に置く必要があります。

またECサイトを制作する制作業者も、上記をまずは顧客に伝えることで、

「ECサイトを制作したのに売上があがらないじゃないか!」

と言われることを防ぎましょう(笑)

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