地方のまちづくり関連の仕事で
コンテンツ
今までWebに対して全く見向きもしなかった地方企業などでも、コロナの影響でWebについて教えてほしいという問い合わせが増えました。
その中で行政関連やを営むB氏から、まちづくりに関連した話もあがり、とある人物にあってほしいという依頼がありました。
「海外で大物アーティストとビジネスを35年」していたというY氏
B氏は以前からデザイン関連の仕事でつながりのあった人。B氏からの話は、本人が最近知り合ったというY氏のことだった。
最近といっても、B氏本人も知り合って1週間程度だという。
もともと地方の店舗向けWebサイトを作ったもののサイト運営について何も検討してなさそうだったので、きちんと運営するための話し合いのための打ち合わせ予定が、なぜか全く関係ない別の人物であるY氏との引合せの話に。
Y氏はその地方出身で、大学卒業後35年ほどアメリカ在住でアート他多彩なビジネスをしていたとのこと。
地元店舗Webサイトの話と思っていたので最初は何の話かわからず、B氏とは最初話が噛み合わず質問をし続けました。
ーー
B氏「アメリカにずっといたY氏はすごい人物で、彼と知り合ってこの1週間でめまぐるしく状況が変わったんだよね。」
私「そうなんですね。何してた人です?」
B氏「35年くらいアメリカでビジネスしてて、向こうでは結構有名人でいろんな有名人とも交流があるみたい。」
私「そうなんですね。何してた人です?」
B氏「具体的にはわからないけど、今回彼のコネクションでアメリカでトップの一流アート集団と契約して日本で活動することが決まったみたい」
私「すごいですね。なんていうグループなんです?」
B氏「この資料の〇〇〇〇〇△△△△△△△っていうみたい。」
私「へー。Bさんそのアートグループをご存知なんです?」
B氏「いや、知らないけど、すごいらしい。」
ーー
どうやらB氏は、アメリカで35年ほどビジネスを営んでいたということで、現在日本に帰国しており、今事業を始めようとしている人物とのこと。B氏は海外の大物アーティストとコネクションがあり、来日させる計画らしい。
海外の大物アーティストを来日させる力を持つY氏だが
実際海外のアートシーンなんて個人的にもほとんど知らないし、一般的にも日本では知らない場合が多いので、B氏が知らないだけで実際は海外で一流であることも当然ある。
ただアートシーンで第一線で活躍しているとあれば、それこそWebでも記事がたくさん出てくるはずで、しかし検索してみると日本語記事はほぼなく、Wikiに名称すら存在していない。
さらに英語版Wikiにも存在していない。英語版のWikipediaにも存在しない一流アーティストって何?
グループの活動場所もNYやLAなどではないらしい。活動場所はアートシーンに少なからず関わりがあると思うけど、NYで活動しているだけでイコール一流ではないとは思う。しかしおそらくはNYやLAなどの第一線のアートシーンからは近くない地域であることと、その地域でも特段うまくいっているという記事がない。
全然関係ないですが、以前Androidアプリでは購入者の名前と住所が公開されてたときがあり(今はなし)、その際に個人的にファンであったアパレルブランドのデザイナーかつミュージシャンであるNYのK〇〇 G〇〇〇〇Nから(恐らく)下記制作アプリを買ってもらったことがある。なので自分の制作物が低クオリティなものではない気もするし一応独学でデザインもやっている。Webデザインも行っているのでそれなりにクオリティはわかるつもり。

ほぼ聞いたことがない団体名、軽く検索してもWikipediaにすら説明が日英ともに記載がない。後日、検索能力をフル活用して調査した結果が下記の内容だった。
- 英語版Wikipediaに掲載なし
- 最も取り上げられた活動時期が2016年頃
- アメリカ主要ニュースメディアには直近1年以上掲載なし
- 主要メディアによる最後の特集記事の見出しは「資金もなく将来性がない」
- Twitterアカウントのフォロワーは3000人
- Youtubeに団体名で検索して出てくるコンテンツが、だいたい5年前のもの
- 最新動画は素人のネイティブアメリカンの女性が歌っている謎の動画
- どうも最近はBLMの活動に力を入れていた模様
B氏からの話を聞く。
「プレゼンの時だけ来てほしい」という依頼に違和感
B氏「行政側もかなり乗り気で、今度プレゼンがあるから来れる?」
私「え?プレゼンの日だけに来れば良いんです?まだお会いしてもないのに大丈夫です?」
B氏「たぶん大丈夫。」
私「いや、事前にごあいさつ程度でもしておいたほうが良いと思いますので」
ーーー
どうやらすでに行政側と接触がありプレゼンが行われる模様だが、なぜか私は事前に会わずプレゼン当日だけ来てほしいとのこと。しかしプレゼンがどのような内容なのか、どのような人物なのか知らずしてプレゼンだけ参加することは到底不可能だし、内容もわからずプレゼン時だけメンバー側?として参加するのは不誠実なので、事前に打ち合わせがあるとのことでそちらに参加することをお願いした。
ーーー
その大物アーティストの他に、某芸大卒のアーティストと芸能関係プロデューサーがいるという。
自己紹介なし、いきなりメディアとの打ち合わせ
打ち合わせ当日、時間通りに行くとすでにメンバーが集っていた。B氏より軽く紹介されたあと、すぐにメディア関係者とのオンラインミーティングの準備に。
ーー
B氏「Web関連の仕事をしている清水氏です」
私「よろしくお願いいたします。〇〇などいろいろ携わっております。」
Y氏「へー。でさ~」
ーー
現場にはY氏を含め事前に聞いていたアーティストと思われるひとたちがいたが、それぞれ何をしているかなどは、結局一言もなかった。ほぼ私の自己紹介のみで、ミーティングについて仲間内で話が始まった。当然その会話に私が入ることはなく、オンラインミーティングが始まった。
オンラインミーティングで先方の参加者についても詳しい説明はなく、
Y氏「〇〇ちゃんは■■■社(メディア名)の✕✕(聞き取れず)で、Gさんは■■■社(メディア名)の人で業界で有名人。Gさんが関わってるだけで、業界人は「どんなすごいことを企画してるんですか??」ってびっくりする」
という話。(当初■■■社は在京メディアの名前を言っていたが、どうやら地方局)
オンラインミーティングが始まると、先方も具体的な話はわかっておらず、これは何の打ち合わせですか?と逆質問に。
双方の話す態度だけから察すると、以前からの知り合いであることはある模様。
Y氏「こっちの行政は乗り気で、毎週電話がかかってきてさー。」
事業の内容は、行政のバックアップを取り付けており、アメリカのアーティスト集団と結びつけ、日本のクリエイターをアメリカ留学させる事業や、町おこし事業スキームを自治体に販売する、そのアート活動をメディア露出をやってくれといったような内容。
業界有名人の方は、終始ビデオ映像なし発言もなし。もうひとりのメディア関係者とやり取りを行っていた。
Y氏の話は、一般的な感覚でいえば荒唐無稽。留学ビジネスやパテントフィーをとるという話で、行政向けには空き家対策、クリエイター創出といった内容。
それについてはメディア関係者も納得していた様で、とりあえずメディアで取材を行うことにその場ではなった。
(Y氏は「事業パテント」といっていたが、事業モデルの特許をとりそれを販売するということだった。一般的に考えてビジネスモデルの特許をとることはほぼ不可能。「事業パテント」という用語すら存在はしない。それになぜ納得ができたかも不明。)
とにかくY氏は、これが実現できれば莫大な収益が発生するという話を始終していた。
打ち合わせを見るに限り、メディア関係者との繋がり、メディアを動かし事業を作るというところはあながち嘘ではなさそうに見えた。
打ち合わせ途中気になったのは、打ち合わせ中喋っているのはほぼY氏のみで、誰もアイデアや疑問点を投げかけることがなかった点。
翌日プレゼン資料についての打ち合わせを行うとのことで、B氏より私は不参加で大丈夫とのことだったが、プレゼンに参加するのに資料を確認しないのはありえないので、また参加すると伝えた。
それは企画自体が穴だらけである点、Y氏が多大な実績があり企画の実行力もあるのであればそれは問題ないのだけれど、そもそもY氏がどのような人物かもまだわからない点があり、私自身ほとんど発言もしなかったので、それを確認するためにも翌日再度の打ち合わせに参加をした。
つづく。