フリーランス・業務委託で直面するリスクから身を守る3つの方法【メンタル編】

副業解禁は2018年から

2017年11月に厚生労働省が有識者検討会に提示した「モデル就業規則」の改正案がきっかけで、それまで存在していた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」の項目が削除され、「本業に支障がない限り、労働者は勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」に改正されました。

大企業でも副業を推奨する時代の到来

みずほ、副業解禁で見えた新しい「働く個人と会社の関係」

 2019年10月、みずほフィナンシャルグループ(FG)は、社員の兼業・副業をメガバンクとして初めて解禁することを決めた。そこで交わされたのはこんな激論だった。問われたのは、単なる働き方の問題ではない。働く個人と会社との関係だった。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00106/012800002/

大企業や大手銀行でも、副業を推進するようになりました。

今後はすべての人が、あらゆる働き方を模索し複数の企業で仕事を行うことになっていきます。

フリーランスや業務委託として企業から仕事を得て働く形も増えていますが、その際に発生するリスクがあります。

新しい働き方で発生する新たな問題

今までなかった働き方で、また新たな問題が生まれてきます。

ここでは、その問題と回避する方法を説明します。

それは会社員でも起きている問題でもありますが、環境の変化で増加する可能性が高いと思います。

フリーランス・業務委託で増加する「うつ」

フリーランス・業務委託という働き方のメリット・デメリットを論じる以前に、おそらくすべての人が1会社のみに最後まで属するということは消滅すると思います。

フリーランスや業務委託というスタイルで働く人が増えるとともに、それが原因でうつになる人が増えていくでしょう。

頼る組織がなく、すべて自己責任というプレッシャー

企業に所属していれば、会社に赴けばそこには同僚は上司部下がいます。ある程度共通した意識、目標を持った仲間がいればそこには安心感もあり、なにかあった場合も相談でき、心理的な安定にもつながります。

しかし、フリーランスや業務委託といった独立した形態では、すべては自己責任になります。問題が発生しても、自分のみで対応しなければなりません。

また自分が休んだ場合も、誰かが変わりにやてくれることはなく、業務がすべて停止してしまします。

その場合、先々の不安やプレッシャーで精神的につらい局面がせまり、うつ的な症状を感じる場合がおおくなります。

目標の喪失

目標が与えられることもなく、監視されることもなく、計画も今後の方向性もすべて自分で作成する必要があります。

昇給や昇進などの明確なステップアップもありません。

仮に売上や仕事が安定してきたとしても、何のために仕事をしているのか、今後これを継続してどうなるのかといった、仕事に対するモチベーションが低下する場合があります。

業務委託契約の落とし穴

業務委託などで契約する場合、月額で委託される業務を明確にして契約すると思います。

仮に月額で契約した後で、契約外の業務も依頼されることがあります。その場合、現状の契約数が少なかったり、月額の金額が多い場合、なかなか拒否をすることが難しい場面があります。

契約の範囲外の業務も対応する場合、さらにいろいろと依頼が増えるようになります。

委託業務をやり始めの場合は、相手から信頼をうける、仕事が増えるといった良い面はあります。

しかし、1社にその対応をし始め、業務時間を圧迫するまで膨れ上がった場合、収入が一本化してしまい、その企業に依存してしまう可能性が高くなってきます。

その場合、相手企業からコントロールされるようになり、ひどい場合はパワハラが始まります。

契約企業から受ける「パワハラ」実際の体験談

ある企業のネット事業部のコンサルティングを請け負ったことがあります。そこは売上が低迷し、かつ組織のマネジメントも機能できておらず、かつ従業員のWeb関連のスキルも低く、問題が山積みでした。

売上低迷の理由は明確でした。そもそも思いつきで始め、日々の数値を確認もしないため打ち手に精度がなく、また目先の利便性のみを考えた業務の運用で無駄な作業ばかりでした。

当該の企業と契約した後で、まず数値の把握を組織全体で行うように提案をしたものの、

「まずは商品開発をしたい」

と依頼がありました。

そもそも商品開発の企画は契約になかったのですが、初回のこともありこれを引き受けました。

実際に数点の商品開発を行い、リリースと並行して細かな制作の依頼や、まったく契約とは無関係なBtoBの商談など、契約とは別の業務が立て続けに依頼がありました。

そういった業務をズルズル続けてしまい、相手企業からの依頼のため断ることも出来ず、優先度の高い施策を放置してしまいました。

結果、本質的なことへ着手ができず、売上は微増するにとどまりました。

その時、契約先企業の上長(契約外の依頼を行ってきた人物)から、

「〇〇さんが来てから売上は変わっていない」

「毎月〇〇万の赤字だ」

などと、ことあるごとに罵声をあびるようになりました。

一旦数字をまず確認できる状態にしましょう、と提案をするも

「数字を見ても何も変わらない」

「ではなぜ最初からそれを提案をしなかったのか」

と、これもまたキツく言われることが続きました。

売上責任をこちらに転嫁し、かつ売上を作るための提案は受け入れず、自分のやりたいことを優先するといった体質であったため、数ヶ月間いわゆる「パワハラ」を受けていました。そこは売上的にも多くを占めていたこともあり、なかなか決断ができなかったのですが、改善の可能性がないと判断し契約をこちらからお断りすることになりました。

フリーランス・業務委託で直面する問題から身を守る

企業に所属しているときとはまた別の問題がふえてきます。仲間もなく頼る組織もない状態で、いかに身を守るかが重要になります。

視野が狭くなっていることを意識する

一人で考え、行動し、決断をするということが増えてきます。それ自体はよいことですが、問題として

「視野が狭くなる」

ことがあります。

上に挙げたパワハラの経験も、「こことの契約がなくなるとどうなるのか」といった視野の狭さが決断を遅らせてしまいました。

先々の不安や現状の苦しさを感じた時、まずは

「自分は視野が狭くなっている」

と認識することが非常に重要です。

メンターを探す

視野が狭くなると、どうしても物の考え方や行動の範囲も狭くなってしまいます。自分の可能性というものがわからなくなります。

その場合、

「視野を広げてくれる人物=メンター」

の存在が非常に重要になります。

休息をとる

フリーランスや業務委託などで仕事が増えると、どうしても休めなくなります。

しかし、一番重要な行動は

休息

にあります。

心や体がつらくなったと感じる前に、如何に休息を取るかが非常に重要になります。

適度以上に休息をとる、心身を健康にたもつことをまずは第一に考えるようにしましょう。

まとめ

フリーランスや業務委託が身を守る方法として

  • 視野が狭くなっていることを自覚
  • 視野を広げてくれるメンターを作る
  • 休息をとる

を挙げました。

資本は自分の頭脳と体です。

これをまずは念頭に生き抜きましょう。

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