インターネットが嫌いだという日本の経営者の話、DXが進まない2つの理由

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない日本

DX・デジタルトランスフォーメーションとは、いわゆるITで変革を行うという意味です。

デジタルトランスフォーメーション(英: Digital transformation; DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。 デジタルシフトも同様の意味である。 2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる 。

https://ja.wikipedia.org/wiki/デジタルトランスフォーメーション

日本ではこのDXがほとんど進んでいないと言われています。

本当に進んでいないかどうか、下記サイトを参照しても進んではいなさそうです。

しかしながら、NRIセキュアテクノロジーズが行ったDXに関する実態調査では、米国、シンガポールの企業に同様の質問を行ったところ、DXを推進している企業が8〜9割に達しており、この結果と比べると、「日本のDXは海外と比べて遅れている」という論調は、かなり当たっているように思えます。

https://blog.global.fujitsu.com/jp/2020-04-17/01/

全く推進していないが61.6%、推進しているが36.5%、そして想定ですがこの36.5%の中でも、進んでいない企業は私見ですがおそらく半数はあると思うので、日本の企業のほぼ8割り程度は何もしていない可能性が高いと思っています。

なぜ日本でDXが進まないのか。

日本企業の上層部の意識

小売業トップから誰1人として
DXの話が出てこないことに
「この先こんなんで大丈夫なのかな?」
と一人言です。

https://kumin.news/ota/articles/26041

現在のコロナ禍における企業のトップの言説ですが、上記石塚氏の指摘のように誰一人DX・ITに関して話題にしていないというのが現状です。

石塚氏ご本人からもリプライいただきました。

また下記の不動産企業の社長の方のブログにも、同様の話がありました。

「最近では2、3ヶ月売上ゼロの時もある。今の客はネットで調べてからやって来る。ウチにもホームページはあるけど面倒だから放ったらかしている」

https://dreamone.co.jp/jigsaw_blog/contents/1781

DXが進まない理由1:日本企業、大企業も中小企業も上層部はインターネットが嫌い

DXが進まないといういろいろな理由があちこちで言われていますが、本質的な理由はこの

「インターネットが嫌い」

ということです。

この河野大臣の動画でもわかるとおり、日本の企業だけでなく、日本の中央省庁でさえ

「紙しか見たくない」

という意識です。

これは「自分は変わりたくない」という意識の現れです。

昔は同じことをしてるだけで良かった

昔は店頭のガラスに募集図面を貼っていれば、客はやってきて、食うに困ることはなかった。

https://dreamone.co.jp/jigsaw_blog/contents/1781

日本では、昔はお店をつくり、お店の前に看板を置いておけばお客さんが自然に入ってきていました。

最近でも地方の企業は、地方のつながり、または地元利権などで、新しい取り組みをしなくても商売がうまくいきました。

今までと同じことをしていてうまく言っていた時期が長く(といっても失われた30年、成長もなく賃金も減っていますが)それなりに食えていたので、そもそも意識として、新しいこと、変化をすることに対応することができなくなってしまっています。

メールのやり取りを新しく覚えるより、不便でもやり方を知っているFAXを使う。(すでにメールに加え、slackなどのチャットツールが主流ではあります。)

未だに「紙」がいいという人は、当然PCもスマホもビジネスで利用できるほどのリテラシーはなく、それを覚えようという意欲もありません。効率化するより「紙」のやり取りがなくなってしまうことのほうが問題と考えています。

DXが進まない理由2:減点主義が変革を拒む

昔は同じことをしているだけでよかった。なにか新しいこと、変化をしなくても、いわれたことをやるだけでよかった。

新しいことをして失敗すれば、減点主義の社会、組織から減点されてしまうので、何も変化を起こさないことが最善策であったからです。

IT、インターネットの利用を勉強しようとする、ネットを活用して新しいビジネスモデルを模索する、今までのやり方を変えて効率化、合理化をすすめるなどは、減点主義からすると、すべて減点対象になってしまうからです。

PCもろくに使えない人がゼロから勉強しようとすれば当然、若手に劣ってしまいます。企業の運営がDXでITベースになってしまえば、ITに疎い自分が減点対象になってしまうからです。

それならば、そもそもDXなどはしないほうが、自分にとって最善だからです。

減点主義は変革を嫌う

減点主義を貫く企業に属する上層部は、減点主義が根付いてしまっています。

効率化ができる、売上があがる、ということより、自分がいかに減点対象にならないかが最も重要になっています。

いろいろと理由をつけて、DXはできないということも、そもそも根本には減点主義がはびこっていることが本質です。

加点主義において、変化に対応することが加点になります。

減点主義において、変化を拒絶することが減点されない方法です。

日本企業、ひいては日本全体が減点主義にであることが、変革がすすまない本当の理由です。

「今までこれでよかったから、とくに変革する必要もない」

という意識です。何か改善を行う際によく出るセリフです。

まずは「変化することそのものが目的=加点主義」になることがDXの第一歩です。

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